FP&Aが評価されて、データ基盤担当が疲弊する。組織変革の現場で感じたこと

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最近、私の会社では制度会計と管理会計の機能を再編し、FP&A機能を強化する動きが進んでいる。

投資家との対話が重視されるようになり、従来のような単体ベースの予算管理や業績分析だけでは不十分になってきたためだ。

経理部門と予算部門の連携強化、新たなシステム導入、将来的なFP&A部門の新設など、会社全体が変化の真っただ中にある。

そんな中で私が強く感じていることがある。

それは、

「FP&Aが評価される一方で、データ基盤を支える人が疲弊しやすい」

ということだ。

目次

FP&Aは目立つ

FP&Aの仕事は経営に近い。

予実分析を行う。

業績変動要因を整理する。

将来予測を作成する。

事業部と議論する。

経営会議で説明する。

投資家向けの説明資料作成に関与することもある。

経営陣との接点も多く、会社への貢献が見えやすい。

そのため評価もされやすい。

近年、多くの企業でFP&Aへの注目が高まっているのも自然な流れだと思う。

一方でデータ基盤は見えない

しかし、その分析の裏側には必ずデータ基盤が存在する。

連結決算システム。

予算システム。

勘定科目マスタ。

組織マスタ。

セグメント情報。

連結調整。

IFRS変換。

各社からのデータ収集。

分析レポートを作る前に、まず数字が正しく集計されなければならない。

当たり前のことだが、この部分は経営陣から見えにくい。

数字が正しく出ていることが当たり前と考えられるからだ。

しかし実際には、その「当たり前」を維持するために多くの労力が投入されている。

なぜ疲弊するのか

データ基盤担当が疲弊する理由は単純だ。

仕事が終わらないからである。

FP&A担当から新しい分析要求が来る。

経営会議で新たなKPIが求められる。

投資家から追加開示の要望が出る。

すると、その情報を取得する仕組みを整備しなければならない。

マスタを変更する。

システムを改修する。

データ定義を整理する。

収集フローを見直す。

そして整備が終わると、さらに新しい要求が来る。

FP&Aは成果が見えやすい。

一方で基盤整備は成果が見えにくい。

この構造が続くと、

「分析する人は評価される」

「支える人は疲弊する」

という状態になりやすい。

本当に重要なのはどちらか

ではFP&Aとデータ基盤、どちらが重要なのか。

私の答えは、

「どちらも重要だが、先に必要なのは基盤」

である。

優れた分析は優れたデータからしか生まれない。

連結ベースで会社を見たい。

IFRSベースで予実管理したい。

セグメント別に分析したい。

そう考えるのであれば、まずその数字を作る仕組みが必要になる。

基盤がなければ分析は成り立たない。

これからの経理人材に求められること

私は経理出身者がFP&Aに関与する価値は大きいと思っている。

理由は、数字の作られ方を理解しているからだ。

ただし、経理人材がFP&Aへ進む際に忘れてはいけないことがある。

それは、

「数字を作る人」

「数字を使う人」

の両方の視点を持つことだ。

どちらか一方だけでは不十分である。

数字の意味だけを語っても、数字が作れなければ実現できない。

逆に数字を作るだけでも経営への貢献は限定的になる。

今後FP&Aが普及する企業が増えるほど、この両者をつなぐ人材の価値は高まるのではないだろうか。

おわりに

私自身、現在まさに制度会計と管理会計の境界に立っている。

連結決算の知識はある。

しかし事業戦略やファイナンスの知識はまだ不足している。

だからこそ、FP&Aという領域に興味を持っている。

一方で、データ基盤整備の重要性も強く感じている。

FP&Aの議論では分析や経営支援に注目が集まりがちだ。

しかし、その裏側で支える仕組みや人材にももっと光が当たるべきだと思う。

会社の競争力を支えているのは、意外とそうした地味な部分なのかもしれない。

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