経理部の仕事は「コミュニケーション能力」が必須です。
ですが、職種がら難解な内容が多いため
- 相手に理解させることができない
- 自分が何を話しているかわからない
- ゴールを見失い議論が決着しない
いったい自分には何が不足しているのだろうか
このように悩む方も多いと思います。
実は上手く話すだけが「コミュニケーション能力」ではありません。
できる経理マンならサラッとできることがあります。
それは図表を使うことです。
「対話」や「文章」だけで伝えられる内容には限界があります。
私は日々、図表を活用しながら経理業務を遂行している現役の大手上場企業経理マンです。
この記事では経理実務で使える図表のパターンを教えます。
この記事を読むと、図表を活用した円滑なコミュニケーションをとることができます。
結論は、5つのパターンをモノにするだけです。
それだけで、明日から人に説明することが楽しくなるかもしれません。
図表は経理マンの武器である
コミュニケーション能力=話す能力だと思っている人も多いですが、
上手く話すだけがコミュニケーション能力ではありません。
人間の脳は視覚的な情報処理に長けています。
経理の仕事は難しい内容が多いため、「図表」を用いて「視覚情報」を使うことが有効です。
使える図表パターン5選
私の16年の実務経験の中から、経理で役立つ図表を5つ厳選しました。
仕事中は手書きのことが多いので、それぞれシンプルな図表にしています。
パターンは5つですが、これらを組み合わせることで応用も可能です。
プロセス図
業務フローを見える化できます。
プロセス図を使えば関連業務の全体像がつかめます。
「新人教育」や「業務改善検討」などの場面で有効です。
相関図
相関関係を見える化できます。
相関図を使えば情報構造の把握ができます。
「ビジネススキーム」や「組織体系」確認などの場面で有効です。
マトリクス表
行と列に分類し複雑な情報を簡潔に整理できます。
マトリクス表を使えば要素の比較が網羅的に可能になります。
「複数要素の状況整理」や「優先順位の判断」などの場面で有効です。
タイムテーブル
対象内容について時間軸を明確にできます。
タイムテーブルを使えば処理や作業のタイミングが時系列で明確になります。
「会計処理タイミングの整理」や「プロジェクトスケジュールの計画」などの場面で有効です。
仕訳
会計ルールに則して取引を視覚的に認識できます。
仕訳を記載することで会計処理が明確になります。
「会計処理の検討」や「財務諸表の分析」などの場面で有効です。
図表を使う場面
経理の仕事をしていると、様々な立場の人とコミュニケーションが必要になります。
以下の場面で図表を使うと効果的です。
- 「役員や上司」に意思決定してもらう
- 「部下や後輩」に教育指導する
- 「監査法人」と会計処理について協議する
- 「他部署」からの協力を引き出したい
- 「関係会社」に決算情報の問い合わせや回答をする
図表の効果
直感的に理解できる
図表を使うと
視覚情報により直感的な理解に役立ちます。
- 文字を減らせる
- 全体像の理解が容易になる
- 複雑な情報を単純化できる
図表は、「専門的な知識が不足している人」にとって、理解の助けになります。
図表作成は経理マンの必須スキルです。
情報の整理ができる
図表を作ると自分の頭の中が整理されます。
- 複雑な情報が要約される
- 情報の比較が容易になる
- 抽象的な情報もポイントやパターンが明確になる
新しい「気付き」や「アイデア」も生まれやすくなります。
経理に限らず汎用性が高いスキルです。
時間の短縮ができる
相手と話しがかみ合わないときも、
ちょっと図を書いただけで、サクッとかみ合うことがあります。
- 相手の知識を補う作業が減る
- 解釈のズレが減り業務の手戻りが減る
- 受け手の理解度が上がり学習効率が高まる
特に教える側になるとき、時間短縮の効果を実感しています。
図表を習慣にする
日常的に意識して使う
図表は「習慣化」するまで意識的に使ってみることが大切です。
まずはハードルの低い以下の場面で取り入れてみてください。
- 自分の頭の整理
- 部下後輩指導
- チームミーティング
正式なプレゼンの場以外では、キレイにまとめる必要はありません。
私もコミュニケーションの手段として、図表はラフに書くことが多いです。
用意するもの
白紙
1対1のときは白紙を使いましょう。
私は仕事中、手元には常に白紙を置いています。
部下後輩指導などでは書いたものをそのまま渡せるのも利点です。
ホワイトボード
会社の会議室であれば一般的にホワイトボードが置いてあると思います。
ホワイトボードはチーム単位での協議の際にあると便利です。
互いに議論がしやすくなったり、加筆しながら議論を発展させることが可能です。
パワーポイントやエクセル
オンラインでやりとりする際は、パワーポイントやエクセルが中心になります。
基本的に図表の事前準備が必要となりますが、場所や参加者の人数を選ばず使用できます。
その場で図表作成する場合は、エクセルでのマトリクス表が使いやすいです。
注意点
図表を使うことはコミュニケーションの手段であり目的ではありません。
口頭のみでコミュニケーションが成立するのであれば、図表を作る必要はありません。
必要なときに図表を選択肢として出せる。
この状態が大切です。
まとめ
本記事では「経理実務で使える図表」について解説しました。
紹介した5パターンの図表を使いこなせれば、難解な話しも相手に理解してもらいやすくなります。
図表作成に慣れると日常的な経理業務がスムーズに行なえ、経理マンとしての自信にも繋がります。
ぜひ日々の業務に取り入れてみてください。
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